大学院卒〝芸術肌〟女性取り付け職人


専門的技術発揮し信頼は抜群

東京都出身の橋詰りささん(46)は取り付け職人として奮闘している。東京芸大、同大学院卒で彫刻作品を手がけ、展覧会を開いた経験を持つ。現在は坂口工業に在籍。特徴的な建物を手掛ける菊川工業の現場を中心に、専門的な技術を惜しみなく発揮し、抜群の信頼を得ている。仕事への思いや、今後の展望について聞いた。

 

取材当日、橋詰さんは東京・丸の内で働いていた。現場は内外装を工事中の東京會舘。2019年1月のリニューアルへ向け、飾り扉の取り付け作業などに余念がなかった。「7、8㎏あります」という工具一式を身に着け、ヘルメット姿で作業。「暑かったり、寒かったり、風が強かったり。この飾り扉は1枚200㎏あります」と自然とも戦いながら意欲的に動き回る。同じ現場にはほぼ約半年通い続け、時には「夜8時から朝方まで」というハードワークもこなす。それでも、自らが関わった建物が完成すると、充実した気持ちになるという。「現場によってやることが違います。きちんと取り付けた後は達成感を覚えます」

 

これまでは「女性は私ひとりということもありましたが、今はシールやボードを取り扱う女性職人も同じ現場にいます。女性がいると雰囲気もよく、男性同士が言い争うことも少なくなりますね」とジョーク交じりに笑った。

 

鉄の彫刻を手掛け展覧会や美術の予備校講師経験も

 

そんな橋詰さんは芸術肌。東京芸大工芸科に学び、卒業後は大学院まで進んだ。「鉄の彫刻作品を手がけていました。展覧会を開いたり、美術の予備校で講師もしていました」と振り返る。例えるなら「クマさん(〝ゲージツ家〟の篠原勝之)のような」活動をしていたという。

その後、31歳時に派遣会社に登録し、職人として働き始めた。以来、取り付け職人として15年のキャリアを誇る。坂口工業に籍を置き、主な現場は菊川工業の「住友不動産麻布十番ビル」など。菊川工業の物件は「イッテンモノ」のような特徴あるものが多いため、橋詰さんの高い技術力が不可欠なのだ。

「チームワークが大切です。例えば200㎏ある扉は、持ち方や相手との呼吸で重さが違います。声掛けも大事ですね」と話す。

休日は基本的に日曜日。普段外で働いている分、休みの時はインドアが多いそうで「本を読んだり、映画を見たり。村上春樹の小説が好きですね」と笑う。長期の休みはなかなか取れないが「前もって申請すれば大丈夫です。以前、1週間の休みをもらい、石垣島に行きました」とリフレッシュしたことを明かした。

自分が関わった物件が無事に完成し、その後一般利用が始まった時にうれしさがこみ上げる。「大がかりな現場は記憶に残ります。作業が終わってから建物を見に行ったり、家族に〝私もここで働いたんだよ〟と言えます」と話し「今の仕事が楽しいのは、いい会社といい先輩に恵まれていたから。そして、ちゃんと指導してくれた先輩がいたから」とうれしそうに笑った。
 

 

 

❤橋詰 りさ(はしづめ・りさ) 1971年生まれ。東京都出身。高校時代は剣道で体を鍛えた。東京芸大、同大学院卒。専攻は工芸。取り付け職人として約15年のキャリアを誇る。趣味は読書、映画鑑賞。

 

 

 

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