建築業界を誰もが働きやすい環境に 女性電気工事士の思い


 

京都・七条大橋のライトアップの企画・設営も成功

京都市右京区に本社を置く「なないろ電気通信株式会社」で、第一種電気工事士として働く前中由希恵さん(32)。代表の井上直人さん(44)と二人三脚で関西を中心にテナントやマンション、新築などの工事を行っている。3年前からはライトアップの装飾にも挑戦。今年は初めて京都・七条大橋のライトアップイベントの企画、設営を一人で仕切った。

「現場も忙しい時期で、休みの日もライトアップの方に時間を割いたり、大変だったけど充実感の方が大きかった。今までとは違う色に挑戦したので不安もあったけど、よかったよと声をかけてもらったので、本当にうれしかった」

七条大橋は1913年に完成した鴨川にかかる最古の橋で、3月に国の登録有形文化財に登録された。それを記念し、イベントが始まって3年目を迎える今回は初めて、だいだい、緑、青、赤と時間をかけて変色していくスタイルを考案。約4カ月前から現場作業の合間を縫ってボランティアスタッフとともに準備を重ね、「橋の日」である8月4日から3日間にわたり行われたイベントを見事成功させた。

(写真)京都・七条大橋のライトアップイベント。次第に変化していく色彩を見事に演出

 

男女関係なくいい環境で働けるように

 


 

 

高校卒業から現場に出て今年で15年。女性職人として「現場に設置されたトイレや詰め所が汚かったり、女性だからとコミュニケーションが取りにくかったり・・・。女性だからと変な気を遣われるときもあった」と、いろいろな葛藤や悩みを抱えてきた。小さいことから大きなことまで、さまざまな壁にぶち当たってきたからこそ、建築業界に対する思いは相当、強い。

「男性だから汚い環境でもいい、女性だから細かい作業が得意だとか、そういうことではないと思う。男女関係なく、いい環境で働けるようにしたい」

職人として現場のことをもっと知るべく、今は電気工事関係の資格のほかにも、消防設備士や建築士の資格取得に向けて勉強を続けている。また、建築業界の〝3K〟(きつい・汚い・危険)のイメージを払拭し、誰でも働きやすい環境にするためにも、自ら発信できることは何でもするつもりだ。「小さいことからでも何かできないかと、同じ女性職人たちといろんなことを考えている。できることは何でもしていきたい」。代表の井上さんからも「彼女がその役割を担う存在として、このままいってくれたら僕は雇っていて本望」と背中を押される。今はまだ、微力かもしれない。だが、きっと賛同してくれる人は大勢いるはずだ。建築業界の改革を目指して、前中さんは突き進んでいく。


 

 

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