現場の〝連帯感〟が病みつきに 女性配管工の思い


亡き夫の遺志を継ぎたい

建築設備、給排水・衛生設備工事を主に行う博心設備(大阪市)で配管工として活躍されている荒木江身(53)さん。配管工になって今年で4年目。荒木さんが現場デビューすることになったきっかけは、突然訪れた。
荒木さんは電気工事士だった夫が、闘病の末2018年に他界。独立し電工としての仕事も少なく、設備の仕事を手伝いしながらマルチに出来る職人を目指していた矢先だった。結婚してから専業主婦となっていた荒木さんは、生活をしていくため働く必要もあり、そして何より亡き夫の遺志を継ぎたい一心でこの世界に飛び込んだ。道具の名前も用語も分からず見習いとしてキャリアがスタート。現場で働く姿を見てきたから、甘いものではないと覚悟していたが、実際には想像していよりはるかに過酷であることを思い知らされた。重い工具や資材の運搬、ホコリや粉じんを被ることも日常茶飯時。元々、ものづくりは好きなほうだったが、それでも亡き夫の遺志を何としても継ぎたい思いが、荒木さんを支えていた。それと、現場で出会う職人さんからの励ましも大きかった。


現場には様々な職種の職人さんが集まり、建物などが出来上がっていく。より良いものを造りたい〝連帯感〟が今では病みつきになっている。手元作業(相番)は、設備関係の仕事では欠かせない。使用する道具も多く、作業工程、使用する道具を理解していないと現場作業がはかどらない。手元が単なる見習いではなく「手元は手下ではなく対等な相棒なんすよ」という先輩職人の言葉が荒木さんの中で印象に残っている。今では配管もすれば鉄管のねじ切りなども行う。インフラを担っているという責任感はとても大きいが、それがやりがいにもなっている。

 

女性にも優しい現場環境を

 

充実した現場生活でもまだまだ改善してほしいことがある。特に、現場での女性用トイレの設置だ。廻りではトイレがないということで現場に出ることをあきらめている方もいるそうだ。そういったこともあり女性職人が少ないのが現状。「戸建ての改修工事に行ったときに、女性職人ということで大事にしていただいて次の仕事を依頼してもらったこともありました」など、女性にしか出来ないこともあると思っている。「やっぱり女性が(現場に)増えてほしいなと思いますね」とも。

今後は、年齢的なこともあり現場に出続けることは難しくなってくる。「自分の出来る範囲で若い人たちがやりやすい環境づくりの力になれれば」と先を見据えている。「素敵なものをみんなでつくりあげていくのが建設の仕事の魅力。相手を思いやることは大事です」と将来の担い手にもメッセージを送ってもらった。

 

(写真)配管撤去作業を行う荒木さん



 

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